米原万里死去と井上ひさし
米原万里の死去を知ったのは日垣隆氏のメルマガでだった。その追悼文はさすが、心を打つものだった。
とは別に。
リンク: 猫を償うに猫をもってせよ - 米原万里蓋棺録.
しかし、その最初のエッセイ集『不実な美女か貞淑な醜女か』が読売文学賞をとった時に、通読はできたけれど、いきなり賞をとるほどのものか? という疑念がかすかにあった。だが帯には、井上ひさしと大江健三郎の絶賛の推薦文があった。のちに、井上の再婚した夫人が米原の妹で、その父が共産党の議員だったと知って、「受賞」の裏を見た気がした。その後の講談社エッセイ賞をとった『魔女の一ダース』は、通読に耐えなかった。義弟の七光りがなければ、知る人ぞ知るエッセイストとしてもっと気持ちよくその死を悼めただろう。
あははは。義弟といっても井上ひさしのほうがずっと年上なんだけど。
さらに、
井上ひさしは、日本ペンクラブ会長、選考委員を務める賞は、直木賞、谷崎賞、大仏次郎賞、吉川英治賞、読売文学賞、講談社エッセイ賞、岸田戯曲賞、川端康成賞と、主だったところを押さえており、その数は他の作家の追随を許さない。よく候補作を読む時間があるものだ。毎日芸術賞を受賞した『太鼓たたいて笛吹いて』は、林芙美子像をねじまげた、菊田一夫の霊に謝罪しろと言いたくなるような代物だった。そのくせ天皇に茶会に呼ばれるとほいほい出て行くのである。
あははは。
いつだったか、テレビのニュースで、日本社会党などが演じた「牛歩戦術」を評して「能のような」とほざいた時点から、僕はそれまで抱いていた尊敬の念を捨ててしまったわけですが、『父と暮らせば』はとてもよかったと思いました。『太鼓たたいて笛吹いて』は読んでも観てもいないや。
で、相変わらず日共系なわけね。
光文社 (1999/03)
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これと
を併読すると楽しいんじゃないかな。どっちかだけ読んでも面白くないと思う。
井上ひさしと来れば
これは高校時代に読んで非常に感動した本のうちのひとつ。ぜひとも舞台で観てみたいといまでも思う。
という訳で、米原さんのご冥福をお祈りいたします。
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