まともに質問に答え(られ)ない学者
典型的ではないか。
リンク: リヴァイアさん、日々のわざ: 「あなたの方がおかしい」と森昭雄氏に言われるの巻(世田谷区のゲーム脳講演リポートその2).
質問 ゲーム脳によってキレたり、殺人をおかす少年が増えるとのことだが、実際には森氏が17歳だった1964年に比べて今の少年の殺人は10万人あたりの発生率で比較すると三分の一以下だ。ファミコンの発売された1983年以来、一貫して凶悪犯罪は低水準。とすると、かりにゲーム脳が実在するにしても、殺人などの凶悪事件を「森氏の17歳」の同水準に引き上げるほどの影響はないと安心してよいのか。
さて、森氏の回答は、(1)のネット検索問題、(3)の主宰者への問いに集中する。その一一方で、森氏への質問は無視される。
トンデモ本シリーズの中に何度も出てきたように、トンデモ学者は質問に答えようとしない。なぜなら答えられないから。
だってこんなだよ。内容。
リヴァイアさん、日々のわざ: 森昭雄氏の世田谷区講演リポート
128chの脳波計を使った最近の成果について。
すでに1000例以上の脳波をはかり(2ch時代もふくむ?)データがはっきりしてきた。かなり確信を持っている様子。ただし、そのうちゲーム脳が何人で、というような「量」的な話は一切なし。見ている者には、ただ一例の「典型的」な例しかわからない。ゲーム脳の子(?)とノーマル脳の女子大生の脳の活動パターンを見せてくれる。
ゲーム脳の子は、ゲームをした後、読書しても、前頭前野があまり活動しない。しかし、ノーマル脳の女子大生は活発になる。はっきりと差が出ている。さすがにデータをねつ造したわけじゃないだろうから、やはり問題はこういうパターンを示す子がどれだけいるのかを知りたいと思うが、やはり言及はない。これは 1000例いるとしても、その中で極端な例をピックアップした、症例報告なのだ。それを「ゲームをやるとゲーム脳になり、すべてのゲーム脳はこのようである」みたいに聞こえる。
ひょっとすると、森氏は意図せずして、読書に困難を感じるけれどゲームには入り込めるタイプのLDの子を拾い上げているのかもしれないと、ぼくは感じた(もちろん憶測。自分が研究者なら、そのあたりを確認してみたいと思う、という程度)。
んで、当然こうなる。
また、「わたしは、日本の子どもが、笑わなくなり、キレるようになり、おかしくなっているのを見て、日本のためにやっている。川口市の小学校でも、2年間の取り組みで不登校児がゼロになる(元々二人の不登校児がいたらしい)といういい結果が出た。そういうのを問題にするあなたの方がおかしい」と述べる。そして、会場からは拍手喝采が湧き起こる。
自らの姿勢のみを誇示し、とても少ないサンプル(それすら怪しいが)を挙げていばりちらす。典型的トンデモ。なのに拍手。
もうこれは「ゲーム脳」を信じたい人のためのサービスとしか思えない。オウムと同じじゃないですか。それが言いすぎなら、まあ細木数子とか。
それにしても川端さん、完敗でもなんでもないですよ。GJです。
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