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2005.04.25

能や狂言より古典落語を

くりおね あくえりあむ: 都立高校新教科に「能」や「狂言」などの伝統文化に反応して。

 計画案によると、「芸術・芸能」では、能や狂言、和歌、俳句などを学ぶ。生徒に単に体験させるだけでなく、歴史的な背景や価値について深く掘り下げる。「生活」では、郷土料理や地域の祭りを研究。生徒に身近な場所から文化への関心を養うのが目的だ。
都立校新教科に「伝統・文化」…能や狂言、茶道と華道 (読売新聞) - goo ニュース

能や狂言を学ぶのは、まあ悪いとは言わないが、その前にやることがある。
古典落語だ。

 
能・狂言のような古典は、自らの今の生活とのつながりを見出しにくい。見出せるのは一部の古典好きに限られてしまう。

今の日本人の生活から能への距離とシェイクスピアへの距離は、おそらく地球から一番近い恒星と、二番目に近い恒星との距離の差くらいしかない。つまり地球から見れば「遙かに遠い」。

しかし落語を聴いて笑うとき、我々は100年以上前にこの国に暮らしていたひとと心がダイレクトに繋がる。その時代の生活習慣、思考様式、美意識が今の自分の生活とも繋がるものなのだということが実感できる。何しろ笑っているのだから。できれば人情話も聴いて涙を流していただきたいところだ。

そして、国際人として自国の文化への理解を深めなければならないというのはよく分かるが、むしろ誤った日本人のイメージを改善することのほうが肝要ではないか。

このように、世界に向けて日本文化を正しく伝えるために落語に取り組まれている方もいらっしゃる。
落語が世界に発信するもの 大島希巳江 文京学院大学外国語学部講師
武道や武士道、『ラスト・サムライ』のようなサムライ文化だけが日本でございますと海外に紹介されることが僕には我慢ならない。「ユーモアを解しない国・日本」というステロタイプを強化してしまうことになるからだ。言っちゃあなんだが、笑いが分からないのは、近代化の主体となった田舎の下級武士たちに過ぎなかったのだ。

特に現代において、この国の庶民の中で脈々と息づいてきた「粋」という美意識が、近代のどん詰まりの中で文化崩壊へまっしぐらという今日の状況において、最も力を持つのは落語であろう。落語を学び、生活上のコミュニケーションにおける笑いと「粋」の重要性に気がつけば、人生はどれほど豊かなものになることか。

もちろん本来は、庶民芸能など教育でやるべき題材ではない。しかしもう、そんなことも言ってられなくなってきたというのか実感である。既に小学校の国語の教科書に「子ほめ」「ぞろぞろ」「寿限無」などが採用されている。小学生にはこのような前座話。中学生高校生には「らくだ」「たがや」「火焔太鼓」「芝浜」「二階ぞめき」「幾夜餅」「住吉駕篭」「愛宕山」「つぼ算」などをたっぷり聞いていただきたい。

以下余談。
落語をもっとも効果的に引用した日本映画史上に燦然と輝く川島雄三の傑作喜劇『幕末太陽傳』は本日20時よりNHK衛星第2にて放映。
そして、川島の後継者(かもしれない)森田芳光のデビュー作『の・ようなもの』も忘れがたい傑作だが、いま宮藤勘九郎がTBS金曜ドラマ『タイガー&ドラゴン』で古典落語に挑んでいる。
前座にいきなり「芝浜」をやらせる無茶はあるものの、それもある意味落語的だし、とにかくテンポがいい。全国の学生諸君はぜひ長野君や岡田君の達者な演技を楽しみながら落語に触れ、親しんでいただきたい。


と思ったらdemiさんがエキサイトブックスでしっかりとまとめてなさるよ、いやまいったねこりゃ。
「落語を読んで「タイガー&ドラゴン」をもっと楽しむ」

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コメント

僕は漢文を勧めたいです。
というのもその背景に中国の優れた文献が多々あり、
さらには様々な変化(格、級、単複数、時勢、活用語尾、助詞、敬語法など)が存在しない上、
そもそもが漢字のため、他の国の人たちが学ぶより遙かに少ない労力で学べる「外国語」だからです。

と書くとなんか中国シンパみたいですが、まぁその通りですw
と言っても「数百年前の先進国」だった時の中国が好きなんですけど

投稿: 樽ムード | 2005.04.25 03:08 午前

漢文はぜひ、音読を徹底して欲しいですね。外国語というか、西洋人にとってのラテン語のようなものかなと思います。

投稿: さいもん | 2005.04.25 08:05 午前

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