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2004.08.30

まっとうな書評が出たので改めてお奨め

横浜国立大学大学院環境情報研究院教授・松田裕之氏のサイトより。

 この本が出版されてから2年が経った.しかし,この本に書かれていることは現在ますます値打ちが上がっている.今こそ,読者にこの本を薦める.今にしてわかることは多々ある.発覚前から日本でもBSE発症牛が現れると心配していたのは著者の池田氏である.最も冷静に(結果論としても妥当な)日本におけるBSE発症予測をしていたのも池田氏である.BSE問題がまだ解決していないことは,牛肉の消費量がBSE騒動前の水準に回復していない(196頁)ことからもわかる.本書は,将来どのように解決するかの道標を示している.すなわち,本書の価値は出版したときより今のほうが上がり,今後さらに上がるだろう.

目から鱗を落とすBSEの本 池田正行(2002)『食のリスクを問いなおす』(筑摩書房)

だから…読めってば

もちょっと引用しておこう。

 さらに,BSEにおけるゼロリスク探求は,結局は役所いじめではなく,牛肉関連業者いじめにしかなっていないという(130頁).これは私も感じるところだ.環境運動は人間らしさを取り戻すための運動だと思っていたが,今まで世話になってきた人々を,ほんの少しのリスクを理由に平気で失業の憂き目にあわせようとする.食中毒のリスクはつねにある.喫煙すれば隣人にそれ以上の死亡リスクを強いているし,車を運転すれば自分が死ぬリスクだけでなく,無関係の歩行者などを死なせてしまうリスクも,BSEよりはるかに高いはずだ.マスコミの誤報で関係者が迷惑を被るリスクも,教育者の不注意で学生が一生を誤るリスクも,BSEより高いことだろう.ゼロリスク論は,社会に生きていけば,人を助けることもあるが危険にさらすこともあるという死生観の根本を忘れている.これでは人間らしさを取り戻すどころか,ますます不自然になることだろう.

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 神経組織や副腎から異常プリオンが検出されたらしい。(読売)と言っても症状が進行 [続きを読む]

受信: 2004.11.04 03:55 午後

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