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2004.04.07

消費者は「主人・王・暴君」

『広告の主人』から『横暴な主人』に・・・

一般消費財を販売するネット業者の立場から言えば、インターネットを使い複数の情報を取捨選択する消費者は既に『広告の主人』を通り越し『横暴な主人』となりつつある。小売業者は『横暴な主人』の『家来』であり、より被虐心が強く薄利で主人に滅私奉公する『家来』であるほど『横暴な主人』は好む傾向になった。見向きもされなくなった『家来』は次々と『横暴な主人』に気に入られるがために価格の決定権を主人に委ね、商人の魂を捨て始めた。

ECサイトを運営されている方の悲痛な告白。

僕は「奴隷」という表現に非常に反発を覚えたわけだが、「主人」もどうかと思う。
消費者は、いまや主人どころか「王様」ではないかと思う。

正直、価格破壊は世の流れ、ある程度は仕方ないかも知れない。
価格競争に負けない独自の付加価値をつけていくべく競争努力していただくしかない。

大店法改正などのさまざまな流通規制緩和・価格破壊・ECサイトの登場と、世の中はどんどん消費者主導へと流れていく。お客様は神様だ。消費者は王様だ。
今までは企業主導の経済だったのだから、消費者主導に流れても大筋問題はない。
しかし、王に相応しい賢さを持ち合わせない消費者がいる。

愚かな王、すなわち暴君である。暴君は独裁を振るいわがまま放題。

・通販で自分が買ったものをこんなの買わなかったといい使用後に返品する暴君。
・ろくにマニュアルも読まずにサポートセンターに意味不明の怒鳴り散らし電話をかけつづける暴君。
・酔っ払ってはバスの運転手を殴る暴君(この前目撃した)
・居酒屋で子供を走り回らせ、店員がそれを見て「親のしつけが悪い」と言っていたのを聞いて逆ギレして店員を殴る 暴君(実話であるまあこの追い詰め方もどうかと思うが)。
・客だ客だ。俺は客だ
・てめー客に向かって何てこというんだ。

さらにこんな暴君もいる
・あれは身体に良くない。これも良くない。
・企業が企業がみんな悪い。『買ってはいけない』に書いてあるもの!!(この驚愕すべき事例を見よ!!)

・『買ってはいけない』については この本を是非読むべし。
『それは違う!』(日垣 隆)

それは違う!

たとえば雪印のような、消費者を馬鹿にしたひどい企業もあれば、もっととんでもない詐欺商売もあるわけだが、自分の消費技術の低さを省みようともせず、ただただ客だ客だと権利を主張する消費者は「暴君」だろう。
その暴君の振る舞いに対応するためにコストがかかり、これが商品価格に転嫁されたりすると、他のまともな消費者が割を食うのである。たとえばサポセンが有料になるとかそういうことだ。
また、こういう「暴君」に限ってアホな広告に騙されたりするんだよな。騙される奴がいるから、いつまでたっても詐欺商売がなくならない。
つまりは王に相応しい消費技術がないってことだ。
客だから店のものを殴ったりするというのは消費技術以前の問題だけど。

なんだかだらだらまとまらない暴言を吐いてしまったが、『職人の魂』『商人の魂』に敬意を払い、これを見極めることのできる「王に相応しい目利き能力」すなわち消費技術を身に付けることが、企業を育て、消費経済を発展させていく。だから消費者教育が大切だと、まあそんな話。

主人でも奴隷でも王でも暴君でもなく、相互教育関係にならないものか。

この問題については、そのうちまた改めて書き直してみるかもしれない。とりあえず今回はこれで。

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