BSEについて…科学者達の尊厳と意地
政府の食品安全委員会は出荷されたすべての牛にBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)検査を義務づける「全頭検査」の見直しに着手する。検査対象を生後20カ月前後より高齢の牛に限定する案が有力だ。欧州連合(EU)の検査に近い基準で、人間への感染防止と検査の効率性を両立させるのが狙いで、米国産牛肉の輸入再開に向けた打開策になる公算が大きい。(食品安全委、BSE検査対象限定へ [2004年4月10日/日本経済新聞 朝刊] )
BSE騒動の本質:科学者達の尊厳と意地 (2004/4/11)
やっとここまで来たんですね池田正行先生。
科学的根拠なしに,政治的動機づけだけで始まった全頭検査は,科学的な考え方,批判精神が日本に根付かないことの象徴である.裏を返せば,社会に向けてメッセージを発することができない日本の科学者達の無能さの象徴である.全頭検査が,何ら批判されることなく継続されるばかりか,科学を全く理解しない政治家や官僚の交渉の道具に使われることは,心ある科学者にとって耐え難い侮辱である.
挑発に挑発を重ね、ゼロリスク症候群の罪悪を糾弾しつづけた池田先生に、改めて敬意を表する。
氏の著作である『食のリスクを問いなおす―BSEパニックの真実』なぜかあんまり売れていないらしいが、これ以上優れた書物を他に僕はあまり知らない。いまを生きる日本人にとっての良薬である。ご一読をお奨めする。
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