切込隊長BLOG: オーディエンス調査とパーソナル調査を混同する人がいるらしい
先日ビール党大会へ行って来た。最初のビデオ上映から隊長ときんたま氏のトーク。他豪華ゲストのトークに笑いっぱなしだったのだが、そのビール党から帰宅して隊長のBlogのこのエントリ「オーディエンス調査とパーソナル調査を混同する人がいるらしい」を読んで考えることがあったので書きたいと思う。
隊長が読んで笑ったこの文章、Cnetにも同じ文章が掲載されている。タイトルは、「インターネット視聴率とは使えるデータなのか」筆者は井上俊一という方だそうである。
はあはあ。なかなかアクロバチックな比較ですな。その数億のうち調査して意味があるサイトはどのくらいなのでしょうか。意味があるというのはそのサイトの情報を金を出して買う人が何人いるか、いくらで買うかということですが。まずこのインターネット視聴率(オーディエンス・メジャメントと呼んでいたがここでは簡単のため視聴率と書かさせてもらう)について本質的な疑問がある。
それはパネル数の少なさである。
Netratingsではテレビで6,000世帯、インターネット(家庭)では1万世帯を対象にしているとのことだ。テレビについて言えば東京ではNHKと民放あわせて7チャンネルから選択可能であるが、一方でインターネットはGoogleのインデクスに入っているものだけで42億ページある。もちろん多言語が含まれるので、日本語では数億というオーダーだろう。
選択対象のオーダーが億単位で違う(7 vs 数億)のに、調査対象は同一オーダー(6,000 vs 1万)であることに大きな疑問を感じた。1万世帯のパネルはサンプルとしてどれ位意味があるのだろうか?
もちろんユーザーの大きな流れはつかむことが出来る。例えばYahooに行く、Googleに行く、楽天に行く、ISPのサイトに行く、などの大枠は分かる。しかしYahooに行ったからと言ってそれがどんな意味になるのか?だから大きな流れ、大枠をつかむためにオーディエンス・メジャメント(俗に言う視聴率調査)というのは存在するのだけど。
Netratingsなどの第三機関のデータは非常に参考になるが、クライアントの知りたいユーザー行動が具体的になればなるほど、1万世帯というパネル数では参考にならないことに気づくだろう。だから「知りたいユーザー行動が具体的」なら別の調査をすればいいわけで、非常に参考になるならそれでいいじゃないの。「1万世帯のパネルはサンプルとしてどれ位意味があるのだろうか?」の答えはご自身で書いているように「非常に参考になる」だ。 あと些細なことだが「第三者機関」と書いたほうがいいんじゃないかと思う。
例えば、「1週間以内に、ヨドバシカメラで買い物をして、ブログを書いて、Yahooオークションでゴルフクラブをチェックしている人」を知りたかったら果たして何人になるだろうか?それをサンプルとしてインターネット人口に当てはめて良いのか?そんなもの当てはめる奴はいない。英和辞典で中国語を調べで「使えない」と言っているような話だ。中国語の辞書を使ってください。 …というか、逆にそんなニッチな調査にこそ、どれほどの意味があるのか全然分からんのですよ。
インターネット視聴率のようなもので具体的なユーザー行動を知りたいと考えたら、考えない。
最後に
インターネット視聴率とは使えるデータなのか自分が使いこなせないだけでこのタイトルはないんじゃないか井上君。
逆にこちらから質問したい。じゃあ何人必要なのよ?
残念ながら井上君は一般の人には知名度が非常に低いのでプロフィールを読んでみたら「エキサイト チーフ・テクノロジー・オフィサー」かぁ。エキサイトってまだサーチやってたんだあ他のコンテンツで儲かっているからもう止めちゃったかと思ってたよという実感が強いわけだが、社長のBlogはオヤジグルメガイドとして良く出来たサービスなので、愛人とのデートスポットを探している小金持ち中年の皆さんは是非一度皆さんも利用してみることをお勧めする。このエントリーと関係ないけどな。
あと、この件については「お買い物と散歩の日常」に、もっと丁寧に説明されているので是非一度皆さんもアクセスして見ることをお勧めする。
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コメント
はじめまして。トラックバックありがとうございます。
井上氏のイイタイコトもわからんではないように思うのですが・・・ネット視聴率はビジネスとして割にあってなさそうで、どんどん淘汰されてしまっていますが、存在意義はあると思うんですよね。ネットレイティングスは私が見る限りきちんと調査をしていると思います。そのへんを誤解したうえで否定してしまった井上氏の発言はちょっといただけないです。
投稿: ぶん | 2004.04.30 10:16 午後
ぶんさんはじめまして。
ネット視聴率ビジネスは正確なパネルを作るのにものすごいお金がかかるので、ビジネスとしてはかなり難しいんですね。ネットレイティングスとビデオリサーチネットコムも原価削減のためにパネルを共通化しちゃったし(プレスリリース出してませんが日経産業の記事になりました)。
でも必要なんです。
Webはマスじゃないって言うけどマスと捉えて広告出すクライアントはいるわけです。エキサイトをマスと捉えてバナー買うクライアントはいるわけです。テレビと同様にテレビと組み合わせながら広告打つクライアントはいるわけです。
その是非を、仮に別にしたとしても、そうやって広告媒体として成立させるために必要な視聴率データを作るためにかんばってビジネスを展開してきているのに「意味あるのか」というのは傲慢極まりないです。
僕もどっちかというとマス媒体の感覚でWebを捉えるのは好きじゃないんだけど、自分の知らんことを「意味あるのか」という無知ゆえの傲慢さは、本当に救いがたいと思います。
投稿: さいもん | 2004.05.01 03:14 午前